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18歳で成年となる若いみなさんへのメッセージ
こちらの記事は、2020年10月16日から2022年4月1日までの間、「18歳で成年となる若いみなさんへのメッセージ」ブログ(旧URL http://laweducation.sblo.jp/)に掲載したものを転載したものです。
2022年4月1日以降に「18歳」で成年となる若いみなさんに、司法書士法教育ネットワーク会員からのメッセージをお届けします。
■ 「18歳成年」へのメッセージをお届けします(2020年10月16日)
■ 今、高校3年生のみなさんへ(2020年10月20日)
■ 一緒に考えていきましょう(2020年10月22日)
■ 司法書士は若いみなさんの消費者トラブルを防止を支援します(2021年2月4日)
■ 家庭科の「契約」の授業でおとなになる準備を(2021年3月13日)
■ 18歳の春(2021年4月13日)
■ 本当にあったこわい話(2021年4月16日)
■ これから大人になるみなさんに(2022年3月13日)
■ 「大人になる」とはどういうことでしょう?(2022年3月20日)
■ 自覚と自立について(2022年3月22日)
■ この春、高校を卒業された皆様へ(2022年3月24日)
■ 動画とゲームで学んでみませんか?(2022年3月26日)
■ 成人を迎えるあなたへ(2022年3月28日)
■ 困ったときの相談のヒント(2022年3月30日)
■ 会長メッセージ「今日から成年年齢は18歳です」の公表について(2022年4月1日)
2022年4月1日に向けて-「18歳成年」へのメッセージをお届けします
公式サイトは、こちらです。 (注:現在は https://houkyoiku.net です。)
学校での法教育活動に取り組んでいる全国の司法書士が中心となって参加している団体ですが、小・中・高校・特別支援学校・大学の教員の方で参加している方もいます。
さて、成年年齢を18歳にする、婚姻開始年齢を男女同一の18歳にする等の成年年齢に関する改正等を内容とする「民法の一部を改正する法律」が、2022年4月1日に施行されます。この法律改正で、
2004年4月2日生まれ以降の人は、18歳の誕生日に成年に達することになります。
また、2002年4月2日から2004年4月1日に生まれた人は、2022年4月1日に18歳または19歳で一斉に成年に達することになっています。
成年年齢引下げの影響を受ける若いみなさんは、今、先輩たちよりも早くおとなの仲間になることを楽しみにされていますか。それともちょっと不安でしょうか。
そんなみなさんに、私たち司法書士法教育ネットワークの会員から、このブログを使っていろいろなメッセージをお届けすることになりました。どんなメッセージが届くか、ときどきこのブログを見に来てくださいね。
(2020年10月16日記事)
今、高校3年生のみなさんへ
私は、司法書士の井手洋右(大阪)です。
今は、受験勉強、就職試験と大変な時期をお過ごしのことと思います。
さて、皆さんは来年3月に卒業式を迎えると思います。そして、その1年後の4月1日より(19歳で)いきなり成年になり、「携帯電話の機種変更」や「アパートを借りる」といった法律行為が一人でできるようになります。
そうです!親の同意がいらなくなるのです! 「やったー」と思う気持ちもあるでしょうが、「本当に自分一人で契約できるの??」っていう不安もありませんか? まずは、2022年(令和4年)4月1日が皆さんにとって、とても大切な日であることを知って頂けると私もうれしいです。
(2020年10月20日記事)
一緒に考えていきましょう
成人になるって何だろう?私自身、何十年も前ですが、成人式にも参加しなかったし、酒が飲めてタバコが吸えるくらいしか思ってなく、選挙に行けるとか、未成年保護が無くなる、なんてこれっぽっちも考えていませんでした。
これから18歳で成人になる方は、20歳までは酒も飲めずタバコも吸えない子ども扱いなのに、契約などの法律行為は成人と扱われ、未成年保護もなくなり「自己責任」となってくる。これって皆が望んだことなのかな?でも決まったことだし、どうすればいいのかなぁ。
法律のこと、これからのこと、一緒に考えていきましょう。
(2020年10月22日記事)
司法書士は若いみなさんの消費者トラブル防止を支援します
【イラスト付きPDFデータで読みたい方は、こちらからダウンロードできます】
大人って何歳から?
日本では何年か前までは「20歳から大人」というのがあたりまえのことでした。国際的には遅れているという意見もありましたが、日本では20歳より若い人たちを大人として扱うことは不安だという意見が当時はまだまだ大きかったように思います。
ところが選挙で投票できる年齢を18歳にしようという法律が2015年に国会で成立しました。「こんどは民法の成年年齢が18歳に引き下げられるらしい」そのウワサは、私たち司法書士にとってはなかなかに刺激的なウワサでした。そのウワサは2018年の6月に国会で法律が成立して現実のものとなり、「2022年4月1日は成年年齢が18歳に引き下げられる日」になりました。
見えない盾が消えてなくなる?
民法というのは契約などのことを定めたたくさんある法律の中でいちばん基本的な法律です。そのなかには未成年者が契約をするには親権者の同意を得なければならず、そうではない契約は取り消すことができると定められています。未成年者を不当な契約から保護するためのルールです。
このルールのおかげでいろいろな事業者は危険性の高い契約を未成年者とははじめから結ぼうとしません。このルールがあることを知っているからです。見えない盾が未成年者を守っているということなのです。成人になるとこの盾が消えてなくなります。これまでは20歳で消えていたのですが、これからは18歳で消えてなくなることになるということになるわけです。
これまでも20歳になったばかりの若い人が悪質商法のようなさまざまな消費者トラブルに巻き込まれることが多いといわれてきましたが、これからは高校生を含む18歳・19歳の若いみなさんのなかで被害が広がってしまうことになってしまうのではないかと心配されています。私も心配です。
契約と法律のことをしっかり学んでおこう
契約や法律の勉強や仕事をしていると「こんなこと学校で習わなかったけど、きちんと教えてほしかったな」と思うことがたくさんあります。なにしろ社会はたくさんの法律、無数の契約によって運営されているわけですから、契約や法律のことを知らないで社会人として生きるというのはたいへんリスクの高いことだなと思います。だから若いみなさんには契約や法律のことをしっかりと学んでほしいなと思うのです。
若いみなさんの消費者トラブル防止を支援したい
私たち司法書士というのは土地や建物の契約や取引が正しく行われているかどうかをチェックする仕事をたくさんしています。なので契約や法律についてはとても詳しいのです。そんな知識を消費者トラブルの防止のために役立ててもらえないか。そんなことを考えて、私たちは「法教育」という活動に熱心に取り組んでいます。
たとえば近畿司法書士会連合会の法教育推進委員会というところがあって、そこで仲間と協力して学校で使える教材を作ったりしています。そこで作った教材をひとつだけ紹介します。
みなさんが将来ひとり暮らしをはじめたり結婚したりするときには、アパートやマンションを借りる契約をするとひとが多いと思います。アパートやマンションの契約はトラブルの多い契約のひとつです。契約の時にはどんなところに気をつけたらいいのでしょう。契約を結んだ後は、そして契約を終わらせるときにはどうでしょう。そういったことを考えてもらう教材が「教えて!契約のこと」という教材です。この教材は公益財団法人消費者教育支援センターの消費者教育教材資料表彰 2019 優秀賞を受賞しました。気になった方はちょっとこちらをのぞいてみてください。
(注:現在は https://www.kinshiren.com/common/item/pdf/01_oheya_keiyaku_20200203.pdf で公開されています。)
私たち司法書士はいろいろな機会に法教育の活動を通して、若いみなさんの消費者トラブル防止を支援したいと考えています。全国各地の司法書士が学校に出前授業に行ったりしていますが、呼んでいただければどこにでも行きます。ぜひ一度全国にある司法書士会に問い合わせてみてください。私たち司法書士法教育ネットワークに問い合わせてくださってもかまいませんよ。これから18歳で成人になる若いみなさんには司法書士がついています。
(2021年2月4日記事)
家庭科の「契約」の授業でおとなになる準備を
私は、大阪の司法書士の小牧美江といいます。
司法書士をしながら、ときどき、高校生のみなさんに「法律講座」という特別授業や講演をしたり、大学生に「消費生活論」を教えたりしています。
ここ数年、高校生や大学生のみなさんに授業や講演をするときに、「2022年4月1日から成年年齢が18歳になるんですよ」とお知らせしています。
もうすぐ20歳になる人や20歳になったばかりの大学生さんたちは、自分たちが20歳で成人だといわれても、契約するのはまだまだ分からないことも多くて不安なのに、18歳で成人だなんて大丈夫なの? 誰が決めたの? と、後輩のみなさんのことをすごく心配してくれます。特に、大学生になって一人暮らしを始めた人たちは、毎日の食料品、日用品、衣服などの買い物、下宿先の家賃や公共料金の支払い、大家さんとの修繕の話し合い、など、毎日たくさんの契約や契約に関連する作業をしていますから、そのたいへんさを実感しているのでしょうね。
私自身は、中学校でも高校でも(数十年前の話ですが・・・)、「契約」のことなど授業でまったく教えてもらえませんでした。
それに比べて、今の中学生、高校生のみなさんは、家庭科の授業で「契約」のことを詳しく学習できる。2020年4月からは、小学生も家庭科の授業で「契約の基礎」を学習できるようにもなりました。だから、みなさんなら今からしっかり学習して、おとなになる準備をしていけば大丈夫だと思います。
そういわれても、これまで学校で勉強した「契約」のこと、忘れちゃった、どうしよう、という人は、この機会にぜひ、家庭科教科書をもう一度読み直してみてください。
他にも、18歳が成年となるのを前に、中学生・高校生向けの契約や法律を解説したウェブ教材が、つぎつぎと公開されてきています。そういう教材を見つけてチャレンジしてみるのもいいと思います。
例えば、私も制作チームに参加して作ったウェブ教材、小学生向け教材セット『小学校5・6年生の家庭科教科書で 売買契約の基礎をマスターしよう!』の、教材とワークシートの部分にチャレンジしてみたり、中学生向け読み物教材『中学校「技術・家庭」家庭分野の教科書で‘法’と親しくなろう-「身近な消費生活」の学び方』を読んでみたりしてみてください。分からないところは、家庭科の先生に質問してみてもいいと思います。
私たちのような法律に詳しいおとなも、みなさんのまわりにはたくさんいて、質問・疑問にこたえてみなさんがおとなになるのを応援しようとしています。18歳でおとなになってからでも構いません。わからないことは、どんどん質問してみてほしいと思います。
(2021年3月13日記事)
18歳の春
2022年に18歳になるみなさんへのメッセージとして、私が18歳の頃抱いていた思いを綴ります。
私の18の春の思い出は、桜咲く予備校の受付です。進学や就職で喜びに沸く同級生を尻目に、鬱屈とした思い抱きながら父親と予備校の受付に居ました。将来がどうなるのか分からない、不安でいっぱいでぽつねんとする私の横に立ち、父親が予備校の職員さんに学費の1万円札の束を差し出した姿を今でも鮮明に思い出します。
あの時、父親が私に伝えたかったことは何だったのでしょう。お金の重みなのか、現実を知ることなのか、あるいは子どもの夢を応援する大人の姿だったのか。恐らく、そのすべてだったのでしょう。今や、私は当時の父親以上の年齢となりました。ですが、父親のような大人になれたと胸を張って言えるかどうかは分かりません。
1つだけ言えるのは、良いことも悪いことも含めた、ありとあらゆる今の積み重ねが私を作り、人とのつながりの中で大人になってきたということです。法律が子どもを大人にしたのでは無いように思います。
あなたは大人ってどんなものだと思いますか?
あなたがなりたい大人はどんな大人ですか?
いつかあなたの答えを聴かせてください。
(2021年4月13日記事)
本当にあったこわい話
【イラスト付きPDFデータで読みたい方は、こちらからダウンロードできます】
私は大阪の司法書士の田實美樹といいます。
18歳で大人の仲間入りをする節目まであと一年をきりましたね。
今日は、人生の節目節目にまつわるいろんな話を集めてみました。
~Aさんが大学生になってしばらくたった頃の話~
バイトを始めてある程度自由にお金が使えるようになってきたけど、買いたい物もたくさんあるし色々遊びにも行ってみたいし、もっとお金を稼ぎたいな~
家にいるときも空いた時間にできるいいバイトはないかな。
そんな時、新聞の求人チラシで「自宅でできる宛名書きバイト」を発見!
宛名書きスタータ―キットとマニュアル代も含めて初期登録費用8千円がかかるみたいだけど…
まぁ、仕事を始めたら元はとれるだろうから応募してみよう。
数日後、簡単な説明書きと封筒10枚と切手10枚だけが送られてきた!
わけがわからず問い合わせの電話をしてみたものの繋がらず。もちろんその後の宛名書きの仕事の依頼もまったく無し。
結局はどうすることもできずに泣き寝入り…。
~Bさんが社会人になってしばらくたった頃の話~
仲良くなった同期と昼ご飯を食べていたら、職場の女性の先輩がやってきて化粧品を勧められた。
普段使っている化粧品があったけど、先輩の頼みでもあるし1回は付き合いで買ってみることに。
しばらくして、その先輩から今度はその化粧品を効果的に使うためのセミナーに誘われた。
仕方なく今回だけは…と行ってみたものの、化粧品の説明は早々に終わって、いきなり会員を勧誘して増やせば自分が儲かるという説明とこのビジネスで成功したという人の表彰が始まった!
その後もなんやかんやと勧誘されて、その先輩とは距離を置くようになった。
もしかして、これってなんたらビジネスってやつだったのでは…。
~Cさんが出産後育児休暇を取っていた頃の話~
ピンポーン!出てみると、掃除機を手に持っておじさんがにこやかに立っていた。
「お布団についているダニや目に見えない小さなごみをワンコインでスッキリきれいにするサービスで、今ちょっとこの辺りを集中的に回らせてもらってるんですけど、いかがですか? 」
「うちは必要ありませんので結構です~」
「家に小さなお子さんはいませんか?特に、赤ちゃんのお布団には実はダニや目に見えない小さなごみがいっぱいで、それを赤ちゃんが吸い込むと体に悪いんですよ。」
(えっ、赤ちゃんの体に悪い!?どーしよ…)
「赤ちゃんはいますけど…」
「赤ちゃんもいるんでしたら玄関先の話ではなんですし、ちょっとあがらせていただいて少し説明しましょうか? 」
(子どもの健康となるとやっぱり気になるし…まぁ、ワンコイン500円ならいいか。)
そのおじさんは、実際にお布団をその掃除機で掃除した後、特殊なフィルターを外して紙の上にトントンとしてみせた。すると小さな黒いごみのようなものがたくさん出てきた!
「ね!これ見てください!こんなにたくさん見えないダニやごみが潜んでいるんです!」
(へ~、こんなに取れるんや、すごいかも。)
「この掃除機があれば赤ちゃんのお布団を清潔にして毎日健康を守ってあげられますよ。
本当はこの掃除機20万するんですけど、今日決めていただければ15万円で売りますよ。」
「確かによくごみはとれるみたいですけど、掃除機にしてはかなり高いですよね。
それに、こういうことは家族にも一度相談してみないと。 」
「一度に払うとなると大変ですよね、でも今なら月々3000円からの分割払いが利用できます。
月々払うなら家計の負担も少なくて済むし、先ほどのお宅でも分割払いを利用されてましたよ。
それに、家族に言わなくても1か月3000円位ならあなたでも内緒で出せるでしょ~」
(はぁ~っ!?!?!?)
結局なんとか断って500円だけ払って帰ってもらったけど、赤ちゃんもいるのに見知らぬ他人を家に簡単に入れてしまったうえに、危うく高額商品を売りつけられるところだった…。
もうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、AさんBさんCさん全員、私の話です。
今でこそ司法書士として法教育に関わっていますが、悪質商法については、数々のやってもーた!を経験して生きてきました。(最後のCさん時代にいたっては、すでに司法書士の資格をとっていました。まったくOH!NO~!な話ですが、子どもの健康のこととなると必死でした(遠い目))
でも、こうしたトラブルに巻き込まれると、悔しかったり、悲しかったり、腹が立ったり、自分を責めたり、周りに相談できなくて孤独を感じたり…。
こんな、やってもーた!ばかりの私ですが、これから未来を生きていくみなさんには、こんな思いを絶対にして欲しくありません。
みなさんをだまそうとする人たちは、成人になりたての柔らかい心を持ったみなさんを手ぐすね引いて待っていますし、容赦はしません。(そういう人たちへの怒りが、今の私の法教育へのモチベーションにもなっています。)
「こんな手口があるんやなぁ。」
「なにか救済される方法があるかも。」
「相談できるところって、けっこういろいろあるらしい。」
知っていることが大きな力になります。自分だけでなく周りの人の力にもなれるかもしれません。
こちらのサイトには「マルチの罠」というわかりやすい教材があります。
http://www.kinshiren.com/contents/houkyoiku/tutorial.html
(注:現在は https://www.kinshiren.com/common/item/pdf/maruchinowana_web.pdf で公開されています。)
よかったら是非一度見てみてください。
これからも私たち司法書士はみなさんに寄り添い、みなさんを応援していきます!
一緒に頑張っていきましょう!!
(2021年4月16日記事)
これから大人になるみなさんに
先に大人になった者から、これから大人になるみなさんに、ひとつアドバイスを・・・
「大人は子どもより守ってもらいにくくはなるけれど、何か問題にぶち当たったときの味方はゼロじゃない」
みなさんはこれからも、たくさん人生勉強をして、様々なことにアンテナが立つようになるでしょう。そして、問題を未然に回避できたり、たとえ問題にぶち当たっても自己解決できたりすることが増えるでしょう。
でも、この複雑怪奇な世の中では、回避不能・自己解決不可能な問題がかなりたくさんあります。
そんなとき、このアドバイスを思い出してほしいです。
「大人は子どもより守ってもらいにくくはなるけれど、何か問題にぶち当たったときの味方はゼロじゃない」
味方を探す!相談する!
なかなか見つからなくても味方は必ずどこかにいるので諦めない!
そして覚えておいてください。
司法書士という仕事をしている人間は、みなさんの味方になりたいと思っているということを。
(2022年3月13日記事)
「大人になる」とはどういうことでしょう?
いきなりですが「大人になる」とはどういうことでしょう?
これはなかなかの難問で、人によって答えはさまざまのようです。
僕はどう考えているかといいますと、きちんとすべき時に自然ときちんとできるのが「大人」であると考えています。きちんとしなくていい時は、年なんか関係なしにしっかり遊んだりエンジョイして楽しんだりしたらいい。そんな時は「大人」かどうかは関係なくていいのではないでしょうか。
なので僕の考えによれば、きちんとすべき時に自然に出来れば年齢はあまり関係がないです。だから、14歳の人でも「大人」な時があったり、40歳や80歳の人でも「大人」ではない瞬間があったりすると思っています。僕自身も、恥ずかしながら時々「大人」でなくなってしまう時があります。
本来とっくの昔に「大人」であるべき人が、とてもだらしがない事をして新聞やテレビのニュースにたびたび登場しますね。ルールを守るべき時に守れない、またはわざと守らない。若い人には厳しいけども、自分はだらしがない。そんなことをしている瞬間は、何歳であろうと「大人」ではありません。
そういう人達を見た時、これを読んでいるあなたは彼らをバカにする事があるかもしれませんが、その時の思いをこれからずっと忘れないで、自分自身に活かしてください。あなたが将来、若い人達から同じように思われることがないように。「大人」になれるように。
こんなことを言っている僕も、あなた達からそう思われないように、「大人」であるべき時に「大人」であり続けられるように頑張ります。
18歳から法律上はさまざまな面で成年扱いに変わります。でも、本当の「大人」になるのはいつからでも出来ます。例えばあなたがまだ中学生であっても、部活などの日々の学校生活の中で、時々「大人」になってみることに挑戦してみてください。そして、遊んでいい時はとことん遊んでください。そうしてくれたら、きっと将来あなたは立派な「大人」になれると思います。少しずつでもいいです、ちょっとずつ頑張ってみてください。僕もあなたに負けないように日々を頑張ります。
(2022年3月20日記事)
自覚と自立について
大人になるとは、どういうことでしょう?
教科書には、こう書いてあるかもしれません。
「大人としての自覚をもち、一人の人間として自立する。」
確かに私もそう思います。
しかし、「自覚」や「自立」について説明してくれる人はどこにいるのでしょう。
自覚はどのようにして生まれるのでしょう。
たとえば、「自立」とは、依存せずに生きるということではないでしょうか。
では、私が有名になってみんなにチヤホヤされたいと考え、実際にそうなったとしましょう。
お金をたくさん稼ぎ、立派な家に住んで、毎日どんなご馳走を食べたか写真をアップします。
私のフォロワーは、「素晴らしい!」「あなたは成功者だ、勝ち組だ」「うらやましい、自分もそうなりたい!」と言います。
私は、誰にも頼らず、自分の努力と実力でこの生活を手に入れたというでしょう。
しかし、私はフォロワーのへつらいと評価に依存して生きているのです。
一方、私が画家を目指しているとしましょう。
今まで売れた絵はたった一枚です。
親はこう言います。
おまえが既に有名な画家にその才能を認められているなら、あるいは何かの賞を取ったのであれば、応援しよう。
しかしそうでないなら、おまえは画家になっても自分で生活できないだろう。
結婚もできないし、家庭を持つこともできないかもしれないよ。
確かに私は経済的に自立していないのかもしれないし、私の絵を素晴らしいと評価して高い値段で買ってくれる人がこの先も現れないかもしれません。
それでも、私は絵を描くことに一生を捧げたいのです。
絵を描くことを何よりも愛しているからです。
私を評価しているのは、たった一人です。
それは絵を買ってくれた人ではなく、自分です。
愛していることをやり続けるのであれば、その一人の評価で私は生きていけるのです。
さて、「自立」とは何でしょう。
みなさんは、どう考えますか。
誰も教えることはできません。
人の意見を聴くことはとても大切なことですが、誰かに従うことはできません。
心の中だけは、私だけの完全な自由なのです。
自分で考え、自分の心の中にあるものに気づいたとき、それこそが「自覚」なのかもしれません。
(2022年3月22日記事)
この春、高校を卒業された皆様へ
この春、高校を卒業された皆様、ご卒業、本当におめでとうございます。
新型コロナウイルスの影響で、様々な想いをされての高校生活。そんな中、無事に高校3年間の課程を修了され、卒業された皆様にまずは心から敬意を表します。
さて、これまでであれば、大人への入り口は「20歳」からなのですが、今年の4月1日に法律が改正され、大人への入り口が「18歳」に引き下げられます(飲酒、ギャンブル等、法令により20歳以上という制限が残るのも一部あります)。
今年卒業された方は、あと数日で「大人」の仲間入りになります。高校卒業と大人への仲間入り。めでたいことがたくさんあっていいですね。
しかし、大人になるという事は、色々なことにチャレンジできる一方、自分の行動に対して自身で責任を負う必要がります。これまでだと、20歳までは保護者の方に見守られてきましたが、皆さんは4月1日から大人として人生を歩むことになります。
私は司法書士なので、どうしても法律的な問題に目がいってしまいます。ちゃんと安全に契約ができるかな? 悪い人に騙されていないかな? あなたに不利な契約になっていないかな?と、どうしても心配する方が多くなってしまいます。
こう話すと、皆さんも不安になってしまいますよね。でも大丈夫です。大人になると社会で活躍できるチャンスが格段に増えます。楽しいこともたくさんあります。だから、今まで培ってきた知恵と経験で大いに楽しんで欲しいと思います。
ただ、人と何かを約束したりするとき、お金の支払いが生じるとき、自分が不安になった時は、必ず一度立ち止まって、「これで本当にいいのかな?」って考えてみてください。どうしたらいいかわからなくなったら、友達でもいいし、先生でもいいし、信頼できる人に相談して下さい。そして、その相談先に私達、「司法書士」も加えてください。特に法律の相談やトラブル解決は得意としています。
疑問に思った時、心配になった時、誰かに相談する勇気を持っていれば大丈夫です。時には司法書士といった法律の専門家に相談できることも忘れないでください。
皆様の将来は明るいです。いや、私たち大人が明るくさせてみせます。一緒に「大人」として頑張っていきましょう。
(2022年3月24日記事)
動画とゲームで学んでみませんか? ―『消費生活の基礎をマスターしよう!』のご紹介
こちらのリンク先に、教材セットの情報を掲載しています。
(注:現在は、 https://houkyoiku.net/for_junior_high_school_student.html で公開しています。)
中学校時代に消費生活のことを学習したはずだけど忘れちゃったかも、クレジットカードのことは学習したかな、なんてちょっと心配な若いみなさんも、中学生といっしょにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ぜひ、ご活用ください。
(2022年3月26日記事)
成人を迎えるあなたへ
正直なところ、私は「おめでとう」と言っていいのかわかりません。
いま若者が置かれている状況はどんどん悪くなっているように思えます。
高額の奨学金を背負って社会に出ても、お給料は上がらないまま。なのに物価も税金や社会保険料も上がる一方です。
いまだに男女平等は不十分。セクシュアルマイノリティの権利はまったくといっていいほど守られていません。
政府は気候変動に真剣に取り組まず、日本どころか地球の未来が危ぶまれていて、若い人ほどその影響を受けざるを得ません。
そんな中で、成年年齢の引下げを行うのは、若い人に責任だけを負わせるように感じてしまうからです。
大人として、日本をこんな国にしてしまって申し訳ないと思っています。
でも、ムシがいい話かもしれませんが、成人したあなたには、一緒にこの国を、世界を、そして未来をよりよいものにしていく仲間になってほしいんです。
憲法には「不断の努力」という言葉があります。
憲法には難しいことも書かれていますが、ざっくりいうと「人間は人間であるという、それだけで大切な存在だよ」という私たちを全肯定してくれるものです。これがあるから、私たちは自由に安心して暮らしていけます。
でもそれは残念ながら、権力によって潰されやすいのです。
だから、私たちは自由で安心して暮らせる世の中を守り、そしてそれを次の世代に渡さなくてはならない。これが「不断の努力」です。
もし、あなたがお金やジェンダー、国籍などが原因で、進みたかった道を諦めてしまったり、将来に不安を感じていたりしたとして、それはあなたのせいなのでしょうか?
私は違うと思います。そのようなことが起こらないようにするのが政治の役割だからです。
私たちは「もっと自由に安心して暮らしたい!」と声を大にして言ってもいいんです。
その声が大きくなれば、国が、政治が動くかもしれません。
「国民主権」・・・つまり私たちの国の主役は私たちです。私たちのことを誰かに任せないで私たちが決めましょう。
世の中のことに興味を持つ
選挙に行く
困っている人を助ける
自分が困ったら迷わず相談する
そんなことから世の中は変わると信じています。
そして、あなたより少し先に成人した者として、困ったときには遠慮なく頼ってほしいと思っています。
私だけでなく、若者が置かれている状況や未来のこの国や地球について、真剣に考えている大人もたくさんいます。
一緒によりよい社会を作りましょう。
成人したあなたにはその力があります。
(2022年3月28日記事)
困ったときの相談のヒント
いよいよ、2022年4月1日=成年年齢が18歳に変わる法律の施行日がもう目の前に迫ってきました。この日を18歳、または19歳で迎えるみなさんは、この日に一斉に成人となられますし、4月2日以降に18歳の誕生日を迎えるみなさんは、誕生日に順次成人の仲間入りをしていきます。
準備はいいですか? 期待していること、不安なこと、いろいろありますよね。
私たち司法書士はみんな、若いみなさんのご活躍を心から応援しつつ、「困ったときは、迷わず相談してね」という気持ちでいっぱいです。
そんなみなさんにお伝えしたいのは「困ったとき相談のヒント」。
日本司法書士会連合会という司法書士会の団体があります。そのウェブサイトに「成年年齢引下げ」の情報がまとめられていたり、
https://www.shiho-shoshi.or.jp/seinen/
「専門家への質問・相談メモ」という相談するときのヒントがPDFデータで公開されていたりします。
https://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/themes/shihoren_2019/common/img/nenrei10_01.pdf
こんなお役立ち情報も参考にしてみてくださいね。
(2022年3月30日記事)
会長メッセージ「今日から成年年齢は18歳です」の公表について
この改正民法施行日にあたり、司法書士法教育ネットワークの前田道利会長は、新たに成年となるみなさんへの会長メッセージ
「今日から成年年齢は18歳です」を公表しました。
こちらのリンクからPDFデータで読むことができます。
今日から新成人のみなさん。明日以降に18歳の誕生日を迎えるみなさん。
前田会長からのメッセージをぜひ、お読みください。
(2022年4月1日記事)
事務局連絡先
- 郵便物送付先
- 〒541-0044 大阪市中央区伏見町2丁目2ー3 伏見ビル4F38号
司法書士法教育ネットワーク事務局 宛 - 事務局電話番号 06-6202-8181
- 事務局専用E-mail law-ed@laweducation.sakura.ne.jp